俺たちに明日はない、こともない。

こっちと向こうと今と昔と。

カンチャナブリ―へ 17

その観光案内所と目される小屋のガラス戸をノックしてみる。

外からは中が見通せない。

誰もいなかったりして。

我しらず自分のこれまでの人生を振り返っている。

これまで

いざというとき、

ここ、というとき、

どうだったろうか。

こんなときに中に人がいない、なんてことは

まさかまさかそんなことは

ない、

こともないな。おおいに・・・(泣)

再びノックするとすぐに

ガラリと戸があき中から女性が顔を出す。

 

 

 

 

       

 

 

   おー!

 

一気にテンションがあがる!鳥肌ものだ!

安堵するより先に言葉が堰を切ったようにでてくる。

「ヤーク・パイ・サタニ―・コンソン・

  カンチャナブリ―!」
(カンチャナブリ―のバスターミナルにいきたいです。)

 

事前にシミュレーションしていたので

流れるようにタイ語が出てくる。

(このとき程覚えておいて良かったと思ったことはない!)

すらりと出たが、気持ちが相当うわずっていたのだろう

相手の返事もまたずなぜかいきなり英語まででてくる。

「アー ゼア エニー・・・カー ・・・サムシング ライク・・・オア・・・モーターバイク・・・」

 

こちらはシミュレーションしてなかった。

やはり無理は隠せないけどめげている余裕はない。

「ブーン、ブーン(ハンドルを持って動かすアクション)、 サタニ―・コンソン・カンチャナブリ―!」

 

もうメタメタである。

尋常でない気配を感じとったのか、奥からもうひとり女性がでてきて

二人で何か話はじめる。すぐにそろって線路の反対側の通りを指さす。

取り敢えず言いたいことは通じたようだが、そっちに何があるのだろう。

そちらへはまだ歩いて行っていなかった。

とにかく行ってみよう。

「コッフン カッ(プ)」

半信半疑で指さされた方へ歩いていく。

 

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案内所の女性たちが指さした方を見てみる。確かにさっきまでは感じられなかった人の姿が・・・