カンチャナブリーへ 20
なんとか帰りの目途がついてほっとしたのは良いが、
乗り込んだ車に他の乗客はいない。
どうやらその車の最初の乗客だったようだ。
御存知の通りロットゥーは客を定員まで載せないと出発しないので
どれだけの待ち時間になるのか見当もつかない。
バイクのおっちゃん、キチンとこちらの行先に応じたロットゥー
のところまで連れてきたくれたんだな。
いや、結局つるんでいてマージンもらってるのか。
そんなことを思いつつもしばらくはボーッとしていたが、
せっかく時間があるのだから少しはカンチャナブリ―の街をぶらぶら
してみたい、と思っているとポツポツと乗客が乗り込んでくる。
それでも合計3人。
大丈夫だろう、と思って車を降りるとササノが目ざとくこちらを見咎めて
飛んでくる。
「ホングナーム・ユーティー・ナイ・クラップ!」
(トイレはどこですか!)
せめてもの抵抗。
結局カンチャナブリ―ではバスターミナルを1周しただけで観光は終わって
しまった。
ここでカンチャナブリ―からバンコクまでロットゥーで移動することを考えて
いる方に改めてお伝えしたい。
1,上記の通り、ロットゥーは定員になるまで出発しないので、自分の思惑通り
の時間で移動することは難しい。
その車両の最後の方に乗り込んだ乗客であれば出発までそう待たされることは
ないであろうが、私のように最初に乗り込んでしまうと待ち時間は相当なもの
になる。
バンコクで○時にレストランを予約しおいたとか、○時の飛行機に乗るとか、
その後に予定を組んでいる人はこの点を考慮しておいてほしい、というかそうした
予定は組まない方が無難である。
2,カンチャナブリ―でどこかを観光したいということであれば
荷物扱いされることは是非とも避けなければならない。
生憎バイク(モーターサイ)のことしか分からないが、
カンチャナブリーでの行動スケジュールがしっかり決まっている人は
それを伝えればよいけれど、漠然としか定まっていない人は
バイクを見つけて交渉する時点で一工夫が必要だろう。
私のように例えばカンチャナブリ―のバスターミナルまでは行きたいが、すぐには
バンコクに向かいたくない、という人はバイクのおっちゃんにキチンと
話をしておくか、万一ロットゥー会社の人がやってきたとしても辺りを観光するので
今はのらない、と断るなど毅然とした態度を貫いて欲しい。
ま、私としてはせめて周辺を散策してお茶くらい飲めれば十分であったのだけれど。