俺たちに明日はない、こともない。

こっちと向こうと今と昔と。

牛かつ

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「もと村」で260gを。うー、満腹。


お昼に牛かつを食べた。

知らなかったけど出てきたかつの断面を

席に備えつけのコンロで客が好きなように焼いて

食するという趣向になっていて

へぇー、面白いな、と感心した。

 

気を付けないとあっという間に焼き過ぎになって

しまう。

多分こういうのはミディアムレアで十分で

油が溶け出すくらいが食べ頃なんだろう、

と独り決めして焼いては食べ焼いては食べていくのは結構

せわしない作業だった。

ぺろりと平らげるつもりが

最後はちょっと重くなった。

 

牛かつのお店は今ではあちこちにあるけど

昭和や平成の中頃までの東京ではあまり見かけなかったような気がする。

私が知っていたのは、たったの1件、人形町にあったが、

店の名前は忘れてしまった。

但し、その店が提供したのは「牛かつ」ではなく

ビーフカツ」だ。

今のようにグルメ情報が氾濫しているわけではなかったから

知るひとぞ知る的な小さな洋食屋だ。

当時人形町でパート勤めをしていた母が

夕飯の支度が億劫になると近所で総菜や切り落とし、はたまたお弁当を

買ってきてくれたのだが、ビーフカツのお弁当もそうした際の一品である。

(とある有名店~こちらの名前は憶えているが~の切り落としが

テレビで取り上げられて途端に人が殺到し、それ以来店員の態度が

横柄になった、と母がブツブツ言っていたのを思いだす。)

 

ビーフカツはとんかつより小さくて

味はというと、実は殆ど記憶にないのだが

勿論レアだなんだとかは気にしたはずもなくて、ただかなり喜んで

食べていたことだけは間違いない。

その洋食屋からはポークソテーのお弁当とだいたい代わる代わる食卓に

登場したけれど一度両方いっぺんに食べてみたいな、

と思っていた。

思ってはいたが結局母にそんなことは言わなかった。

なんとなく予想はしていたが実際の値段を知ったのは随分後の話だ。

 

牛かつとビーフカツはどう違うのか。

あの店が今でもあるのかどうかわからないがいつか確かめてみたいものだ。

ビーフカツとポークソテーを一度に注文することは多分ないだろうが。